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芋屋の芋菓子は芋から。

芋けんぴは芋と砂糖と油だけでつくるシンプルな菓子ゆえに、原料のおいしさや鮮度がそのまま正直に出てしまいます。だからこそ、芋がものいう。芋屋金次郎の芋けんぴは芋づくりから始まります。

昭和40年代のこと。先代澁谷金次郎はおいしい芋が育つ場所を探して旅に出ます。高知から中国、オセアニア、トンガの高原地帯にまで足を伸ばし、最後にたどり着いたのが「さつまいも」の語源でもある薩摩の国、鹿児島県大隅半島。火山灰のシラス台地で水はけがよく、日照時間が長いため地温も高く、品質の良い芋が育ちます。以来、この地が金次郎の第二の故郷となりました。

【コガネセンガン】
金次郎が芋けんぴに使っているのは「コガネセンガン」という品種の白芋。大きなもので1個3キロにもなります。でんぷん質が多く、油との相性も大変によく、以前、農水省との共同研究で芋けんぴに適した品種のテストを実施したことがありますが、今のところ、この品種に勝る芋はありません。

全て国内の契約農家の芋

芋のうまさがけんぴのうまさ

けんぴの味は芋の鮮度と油の品質、揚げの温度で決まります。その芋はすべて国内産のフレッシュな生芋が基本。芋のうまさが、けんぴのうまさです。

けんぴにするには掘りたてのやわらかい新芋でなければ切れないという理由もありますが、芋のでんぷんは時間を置けばおくほど糖化が進み、揚げると焦げてしまいます。焦げると苦くなる。かりっと香ばしく揚げるためには一定の温度と時間が必要のため、芋の鮮度がものをいう芋けんぴです。工場では契約農家さんから前日もしくは当日掘りの新鮮な芋が届くと、即、加工。洗ってカットし、揚げて芋けんぴになるまで、わずか1時間という早さです。その日届いた芋はすべて、その日のうちに芋けんぴにします。

受け取る芋には7つの約束。

芋屋のけんぴとなる芋は、前日もしくは当日掘りが鉄則。虫食い芋はもちろん、切れ芋や割れ芋、100グラム以下の芋は受け取らないなど、7項目もの約束事があります。もうあんまりうるさいものだから、煙たがる農家さんも出てきました。それでもポキっと折れるわけにはいきません。金次郎の芋にかける思いを理解し、品質のよい芋を作ってくれる契約農家さんが今、鹿児島県大隅半島を中心にふるさと高知、宮崎県を含め約400軒。40年と長いお付き合いの農家さんもたくさんいます。農家さんあっての金次郎です。おいしい芋けんぴができないわけがありません。

うまい芋があってこそ。

農家さんは「けんぴの揚がりが、芋の出来の結果」だと言います。その芋の味は同じ品種でも育った畑ごとに違うので、揚がりの色を揃えるのがむずかしく、加工はできるだけ同じ農家さんの畑の芋から進め、芋を見ながら揚げる時間や温度を微妙に変えていきます。それゆえ、その日、どの農家さんの畑の芋がけんぴになったのかがシビアにわかります。けんぴ1本から畑が見えるトレサビリティー。芋を揚げながら、工場から農家さんにアドバイスすることもあります。お互いに1本のけんぴにも責任感を持つ。工場と農家さんが一体にならないと、おいしい芋けんぴは作れません。

農家さんと工場が一体となって、 おいしい芋けんぴを作っています

自社で苗づくりから栽培
芋のプロが作る芋けんぴです

芋菓子専門店として、良質のさつまいもをもっとおいしく、安全にお届けして行くためには、まず、自分たちが芋づくりのプロでないと契約農家さんの苦労も気持ちもわからない。そこで、芋について徹底的に研究、芋の専門家として平成15年には農業法人をも立ち上げ、自社で苗づくりから栽培、管理加工、菓子材料の製造まで一括した循環体制を確立しました。芋屋金次郎の芋けんぴに使用している芋は、全て自社栽培のオリジナルの苗を使用して育てています。芋から違う、だから美味しい。それが芋屋金次郎の芋けんぴです。

金次郎厳選の種芋。温度14℃~15℃、湿度90%の貯蔵庫でしっかりと自社管理しています。
種芋のふせこみ作業。温度管理されたビニールハウスの畑にふかふかの土の畝に、植えてゆきます。
芽は芋の成り口側の一ヶ所からしか出ないので、同じ方向に隙間なくびっしりと並べます。
種芋から発芽した苗は念入りに湿度調整し、大事に育てられます。
発芽して、二十センチ程になると、苗として丁寧に摘み取ります。
摘み取った苗を農家さんに託し、植え付けをしていただきます。

芋屋金次郎の芋たちをご紹介します。

芋一筋、芋菓子専門の芋屋金次郎では、芋けんぴに使うコガネセンガンのほか、スイートポテトや洋菓子に使用するさつま金時など、芋菓子の種類に応じて、さまざまな品種の芋を使い分けています。そんな芋屋金次郎の芋たちを一部ご紹介します。

◎コガネセンガン

でんぷん質が多く、油との相性も大変によい白芋。 農水省との共同研究でも芋けんぴに適した芋として、この芋に勝る芋はありません。
-使用している芋菓子

芋けんぴ、つぶけんぴ

◎さつま金時

シラス台地で育つさつま金時は赤紫で、中は黄色。 ほくほくとして強い甘味があります。お菓子づくりに適しています。
-使用している芋菓子

ポテトフレークサブレ、お芋のタルト、お芋のパイ、お芋のチーズケーキ、 スイートポテトなど、お芋のスイーツ。

◎シロユタカ

1975年に鹿児島県の農業試験場でデンプン用の芋として開発された品種。定番の芋けんぴより薄切りにして揚げることで、さくっとした食感が楽しめます。
-使用している芋菓子

薄切りいもけんぴ

◎種子島ムラサキ

種子島に伝わる在来種で、希少なさつま芋。アントシアニンの含量が多く熱を通すことによってあざやかな色になります。紫芋の中でも特に甘みがあります。
-使用している芋菓子

むらさき芋チップ